メンバーたちの「想い」と「挑戦」をお届けするMembers File。
今回は、ストアフロントの開発組織を立ち上げたメンバーに、0→1の立ち上げエピソードと今後の開発組織の展望についてインタビューをしました。
Q:初のストアフロントエンジニアとして、なぜ入社を決めたのですか?
0→1で新しいサービスを作れるという点に魅力を感じたことが、最初のきっかけです。
今までの経験を生かせるかどうかを試す意味でも、エンジニアの環境が整っていない状態から、ゼロからサービスを作るという貴重な経験ができることに大きな魅力を感じました。これまでにないステップアップのビジョンが描けたため、ストアフロントへの入社を決めました。
前職はスタートアップのベンチャー企業でファッションのECサイトを立ち上げました。ECサイトの立ち上げは成功しましたが、既存のシステムを活用したサイト構築と運営が中心だったため、厳密な意味での0→1ではありませんでした。
そのため、ストアフロントで本当の意味での0→1を経験できるのであれば、さらに一段階上の挑戦として、自分のスキルがどれだけ通用するのかを試したいと考えてたんです。
Q:入社後、0→1を実現する上でどんな困難がありましたか?
開発環境が整っていないことは事前に聞いていましたが、実際に入社してみると、まさに何もない状態でした。本当にゼロからのスタートでした(笑)
まず、立ち上げようとしているサービスがどのようなものなのかを、当時のディレクターに確認しました。すると、「ECサイトのような形で、サブスクリプションに特化したサービスを作りたい」とのことで、まだ漠然とした状態だったんです。それが、現在運営している『SubscLamp』です。
1月に入社したのですが、その時点でサービスローンチ予定が夏頃だと聞き、とても衝撃を受けたのを覚えています。約半年くらいの期間で、環境も整っていない、作るものもはっきりしていない、そして作る人間は自分だけという状況だったので、最初は何を始めればいいのか全く分からなかったです。
そんな中、サービスを世に出すためには、自分の役割で何が必要かを考えました。最初の3カ月は、漠然としている状況の中でもサービスを生み出すための環境整備が必要だと感じ、開発基盤の構築から始めました。自分のパソコンでサービスが作れる環境を整えることや、システムを作った後に社内メンバーがアクセスできるサーバーなどのインフラ環境を整備することが重要だと考え、少しずつ基盤を作り上げていきました。
環境整備が進んだ次のステップとしては、何でもいいからミニマムで動くサービスを作ることに集中しました。サービスの仕様がまだ決まっていない中でローンチ予定はあるという状況に危機感を抱き、まずは張りぼてでも動くサービスを用意しようと思ったんです。そうすれば、関係メンバーがサービス設計におけるイメージが持て、前に進みやすくなるのでは、と考えました。
まずは契約ができるサイトを作り、その中で会員登録が必要だということに気付き、さらに、サービスを運営するためのサイトが必要だというように、少しずつ議論が進んでいきました。そこからは、ディレクターやデザイナーと共に、具体的なサービス設計に取り組んでいきました。
Q:サービス立ち上げの初期段階では、どんなことを意識して進めていきましたか?
「見せる」行動のスピードと回数を重ね、最適解を見つけていく
間違えてもいいから、まず仮のルールでサービスを作ってみることを優先しました。全員が初めてのサービス立ち上げだったので、誰も正解を知っている人はいませんし、的確な答えが返ってくる状況ではありません。
例えば、マネタイズに関わる価格設定についても、最初は仮決めからスタートしました。作ろうとしているサービスがどんな人に使われ、どんな人にメリットがあるのかを考えたときに、取り扱うサービスの上限価格1,000万円が妥当かどうか、を検討するようなイメージです。それが妥当でないことが分かれば、上限10万円はどうだろうか、というように、最適ではないかもしれないながらも現実的な価格設定を試みていきました。
このように、仮で決めたルールを基に、関係メンバーで情報収集や意見交換を重ねながら、意思決定のスピードを上げ、前に進めていったんです。
個人的には、意思決定に正解はないと考えています。だからこそ、最適解を見つけるために、まずは早い段階で自分が作ったものを「見せる」という行動を大切にしています。モノが見えるようになることで、メンバーからの意見が出やすくなり、様々なフィードバックを受けることでサービスが改善され、最終的にいいサービスが出来上がると考えています。
「見せる」までの期間が短く、その回数が多ければ多いほど、サービスを改善する機会も増えます。結果として、高品質なサービスを早く世に出すことができるのです。仮に0→1で明確なものがなくても、まずはスモールスタートでいいので、「見せる」行動のスピードと回数を重ねることが非常に重要だと考えています。
Q:業務の中で感じるやりがいと、今後のキャリアについて教えてください
『SubscLamp』を0→1で立ち上げ、ローンチから5年ほど経ちました。現在はエンジニア2名の体制で、サービス改善やカスタマイズがメイン業務となっています。
小さなチームではありますが、チームで協力しながら作り上げたものが、実際にサービス利用者に喜ばれていると実感できたときは、作って良かったと感じる瞬間です。また、何もないところからサービスを生み出し、5年間大きなトラブルなくサービスを運営し続け、売上を上げていることは大きなやりがいです。
また、長年エンジニアとして経験を積んできましたが、プレイヤーとして働きながら開発組織を作るという経験はなかなか得られるものではなく、この経験を通じてまだまだ成長できていると感じています。
今後のキャリアとしては、システム部門の最高責任者のような立場を目指しています。これは、単に自分の願望だけでなく、会社の成長において自分の役割が重要だと考えているからです。開発組織の先導役を担うことで、ストアフロントの成長に貢献できるのではないかと思っています。
ストアフロントは成熟しきった会社ではないため、まだまだできることがたくさんあります。そのため、変化やチャレンジを通じて成長していこうという組織文化がストアフロントの強みです。チャレンジすることで分からないことや失敗も伴うかもしれませんが、それを学びの機会とし、前進し続けることができる会社はそう多くないと思います。
Q:これからの開発組織の展望について教えてください
1人1人のノウハウや経験を活かし、全員で開発組織の文化を創っていく
ストアフロントは、インターネットサービスを主軸に「ありがとうと言われるサービスを提供する」というビジョンを掲げています。その中で、開発組織は非常に重要な役割を担っていて、会社の成長にとって欠かせない部門です。だからこそ、今後は開発部門を組織として大きくしていく必要があると考えています。
現在の開発組織は、SubscLampにのみ存在していますが、今後は主幹事業であるデジタルサービス事業の『ダレカナブロック』や『ポケットバックアップ』の開発に対応するポジションを増員し、新たな開発組織を立ち上げていくタイミングです。
正直なところ、まだまだ開発がしやすい環境が整っているとは言えません。ただ、その環境を自分たちの手で作り上げていけることには、大きな楽しさと魅力があると思います。
今後デジタルサービス事業にジョインしていただく方には、ストアフロントの開発組織としての文化を一緒に創り上げてほしいと考えています。環境が整っていない中でも、1人1人の持つノウハウや過去の経験を活かして、組織を共に育てていけるメンバーが必要です。
もちろん、社内で携わるプロダクトは違っても、システム開発に関連するノウハウやナレッジの共有は、事業を跨いで積極的に行います。いずれは、プロダクト単位ではなく、ストアフロント全体で開発組織を構築し、エンジニア全員が各プロダクトに携われるフレキシブルな組織を目指したいとも考えています。
そうすることで、機動力が増し、開発に関するナレッジ共有もしやすくなるので、よりサービスの発展に繋がるのでは、という構想を持っています。
Q:今後どんな人と一緒に働きたいですか?
困難に直面したときこそ、情報を集めながらチャレンジの数を増やす
1つは、「失敗を恐れずチャレンジできる人」です。
会社全体がチャレンジを通して成長することを大切にしていますが、それは開発部門においても重視したい文化です。そのためには、「できない」と思わないことが最も大切だと考えています。
私自身は、日ごろから「難しい」というフレーズを使わないように心掛けています。開発は一見難しいことが多いと考えがちですが、技術は日々進化していて、分からないことや知らないことがあるのは当たり前で、むしろ自然なことです。
どんな困難や問題に直面したとしても、それは人類が初めて直面した問題ではないはずです。きっとどこかで同じような問題を経験し、解決している人がいると思います。だからこそ、「難しいからできない」と考えずに、インターネットなどを活用して情報を積極的に集め、手がかりを見つけて行動を積み重ねることが重要だと考えています。
「難しい」というのは、過去の経験や価値観から無意識に決めつけている感覚です。フィルタをかけずに、まずはチャレンジする数を増やし、成功体験を積み重ねることが大切です。その成功体験が増えれば、「難しい」という感覚は自然と薄れていきます。
もう1つは、「枠組みにとらわれずに行動できる人」です。
モノづくりにおいては、ITという手段を使って課題を解決することが求められます。例えば、AIやAR、IOTなど、近年注目される技術や選択肢も視野に入れながら、より良いものを生み出していきたいと考えられる人が必要です。
技術先行ではありませんが、今まで取り入れていない知識や技術を組み合わせることで、システム開発の視点から新しい価値が提供できれば、もっと多くの利用者に喜ばれ、エンジニアの仕事がさらに楽しくなると思っています。
これからは、このような考えを持ちながら主体的に行動できる人と一緒に、ストアフロントの開発組織をさらに大きく、より強くしていきたいですね。